エミル・スミス・ロウ×ジェイミー・レドナップ『過渡期を過ごして』

エミル・スミス・ロウ×ジェイミー・レドナップ『過渡期を過ごして』

さて、今日のアーセナルトピックスをみなさまと共有したく存じます。

スミス・ロウがジェイミー・レドナップと1時間に及ぶインタビューに臨んでいる。

ちょうど先日、ローンで学びを得られていないマテオ・ゲンドゥージのことを綴ったため、対比が効いた感じにもなっている。

スミス・ロウ×レドナップ by dailymail

Arsenal’s ‘Croydon De Bruyne’ Emile Smith Rowe speaks to JAMIE REDKNAPP

クロイドン・デ・ブライネと呼ばれて

REDKNAPP
Hi Emile. まずはニックネームについて教えて!
SMITH ROWE

毎日、トレーニンググラウンドで聞いているよ。

時には『ケヴィン』、あるときは『クロイドン・デ・ブライネ』といった感じだ。

あんな選手と比較されたら、もうなにも言えないよ。

REDKNAPP

たしかに。

私だったら喜ぶね。

ちなみに、リヴァプール初期の私のニックネームは『ハリー』。

ロニー・モランから’Oi, Hazza, Hazza!’と呼ばれて、ムカついたよ。

父親(ハリー・レドナップ)のことを悪く言いたくはないけどね。

デ・ブライネのような選手と比較されてみたかった!

さて、マン・オブ・ザ・マッチに選ばれたノース・ロンドン・ダービーから数日、気分はどう?

 

初ノースロンドンダービーを終えて

SMITH ROWE

最高の気分。

アーセナルサポーターのひとりとして、ノース・ロンドン・ダービーでプレイすることは夢だった。

それに私にとって、あれが初NLDだったからね。

ゴールを決めきれなかったことについては、残念だった。

あのシーン、ボールがクロスバーに当たったとき、既にセレブレーションをしていたんだ。

次は絶対に決める。

REDKNAPP

次は、6万人の観客の前で戦えるとより良いね。

サポーターが居なかったこと以外は、期待通りのノースロンドンダービーだった?

SMITH ROWE

そうだね。

ピッチ上の選手たちを見ても、現実味がなかった。

ハリー・ケインやガレス・ベイルと対戦するのも初めてだったし、コーナーでベイルがマークしてきて思った、『これはクレイジー』だと。

ノース・ロンドン・ダービーを見て育ったし、アーセナルにとってはシーズン最大の試合だ。

そんな試合に先発して、勝って、マン・オブ・ザ・マッチ。

家に帰ってからもまだ信じられなかった。

父はトットナムファン、兄はアーセナルファンだから兄に続いたことになる。

家に帰ってから父と冗談を言い合ったりしたけど、父は私のことを応援してくれてたみたいだ。

 

My Clubはアーセナル

REDKNAPP

アーセナルとスカラシップを結ぶ前に、トットナムが獲得に動いていたという噂があるね。

もしかしたら先週、キミは赤ではなく白のシャツを着ていたかもよ!

SMITH ROWE

そうだね、育った地域でいえば、本来ならばクリスタルパレスになるんだろうけど、私はアーセナルファンだった。

チェルシーのトライアルに参加したこともある、『体が大きくない』という理由で漏れてしまったけどね。

そこをアーセナルが拾ってくれた。

私が遠くに住んでいることを考慮して、時間があるときに参加するよう言ってくれたり、とても柔軟に対応してくれたよ。

トットナムも興味を示していたけど、アーセナルを選んだ。

彼らは、私のマイクラブだから。

 

ミケルはトップマネジャー

REDKNAPP

トットナム戦、ビッグチームのようなプレイだった。

それはアーセナルのようなクラブがすべきことを示していたし、特にキーラン・ティアニーとのコンビネーションは抜群だったね。

SMITH ROWE

間違いなく正しい方向に進んでいる。

今のチームを見ていると、素晴らしいことができるような運命にあると感じるよ。

正直、ブカヨ・サカの素晴らしさがちゃんと認識されていないように思う。

彼は、私がこれまで一緒にプレイした中でも最高の選手の一人。

マネジャーの戦術も凄いよ。

『この時こうなる、そうなると相手はこう返してくる』とミーティングで言われたことがその通りに起こる。

そういう細かなことがわかっているところを見ると、彼がいかに経験豊富で、いかに一流のマネジャーなのかを実感するね。

 

インヴィンシブルズと戦ったレドナップ

REDKNAPP
幼少期のヒーローは誰だろう。
SMITH ROWE

デニス・ベルカンプ、ティエリ・アンリ、ロバート・ピレス、フレディ・ユングベリ。

得点の仕方がアンビリバボーだった。

あのチームはジェイミーが対戦した中でも、最も難しいチームだったのかな。

REDKNAPP

別格だった。

マンチェスターユナイテッドも素晴らしいチームだったけど、インヴィンシブルズも。

トンネルで彼らの隣になったとき『フットボールがしたいのか、それとも戦争がしたいのか』そんな雰囲気だった。

そして彼らは、両方を求めていたよ。

2004年のホワイト・ハート・レーン、彼らは引き分けでも十分にチャンピオンになれた。

私はトットナムにいて、ハーフタイムの時点で『2-0』。

せめて『5-0』にならないことを祈った。

結局、私も得点して、どうにか『2-2』の引き分けに持ち込むことができたけど、彼らにはスペシャルな選手がいたよ。

 

ピレスの話が出たけど、彼は右利きながら、左ウイングを担っていた。

中に切り込んで驚異的な働きをしていたね、まさしく先週のキミの役割と瓜二つだ。

キミ自身は、どこでプレイしたい?

SMITH ROWE

No.10のインサイド。

今はウイングにいても、中に入ってNo.10のようにプレイすることを求められているよ。

根っこがアーセナルファンだから、どこでもハッピーさ。

必要とされれば、どこでもプレイするし、万能(versatile)なのは良いことだからね。

左にいるときにインサイドへ入っていくのは、もう習慣化している。

これはKT(ティアニー)にとっても好都合なんだ、高い位置でワイドに展開することができるからね。

トットナム戦では、できるだけそこにボールを入れるようにした。

私とKTはとても良い関係を築いているんだ、試合後も共に騒いだ。

KTはこれまで会ったことのないようなほど、ナイスガイ。

それと同時に戦士でもあるんだ。

真の味方であり、常に勝ちたいと思っている。

 

ファーストチームへの定着

REDKNAPP

先日、ユングベリにキミのことを聞いてみた。

彼はキミのこと、特にトレーニングへの姿勢を絶賛していた。

キミの年齢なら、テレビでしか見たことのないような選手といきなり対戦して、浮つくこともあるだろうに。

でも、トットナム戦でマン・オブ・ザ・マッチを獲得したことで、自分の存在意義を確信することができたのかな。

SMITH ROWE

そうだね。

自信があれば、それがプレイに表現されるものだ。

私やブカヨの場合、経験豊富な選手たちにとても助けられているよ。

プレイで自分を表現できるのも、経験豊富な選手たちのおかげ。

チェルシー戦(2020年12月に3-1で勝利)後、プレミアリーグの試合に立て続けに先発して、重要な存在と言われるだなんて思ってもみなかった。

確かに驚きの連続だったけど、これを実現させるために常に自分を信じてきた。

REDKNAPP

私がリヴァプールに加入したときは、中盤が怪我をしたり、引退したりと、過渡期を迎えていた。

その中に放り込まれて、泳いでいるのか沈んでいるのかわからない状態だった。

それでも、チャンスをもらえたことにとても感謝したのを覚えている。

だからアーセナルが過渡期にあったことが、キミにとってプラスになったのかな。

チャンスを得るためには、ちょっとした運が必要なこともあるよね。

SMITH ROWE

100%そうだね。

まさしく自分もそうだった。

結果に苦しみ、マネジャーも苦慮したと思う。

ちょうどそのとき、ヨーロッパリーグで良いプレイをしていたから、それでチャンスを得ることができた。

 

最高のNo.10へ

【打倒エジル】エミル・スミス・ロウ『アーセナルNo.10の夢は揺るがない』
SMITH ROWE

自分の国のためにプレイすることは、夢。

今回、U21に招集されたことは、自分へのご褒美だと思っている。

自分の成長を示すものだと。

トップチームに呼ばれるように努力する。

自分にそれができないわけがない。

REDKNAPP
次のレベルに行くためには、なにが必要だろうか。
SMITH ROWE

ゴール。

最高のNo.10は、ゴールもアシストもする。

だから、ウイングから中に入ってシュートすることを意識している。

トレーニング後、コーチに手伝ってもらって、『やりすぎないように!』と言われることもあるけどね。

REDKNAPP

No.10は、元来ベストプレイヤーの居場所とされてきたね。

アーセナルは1月、レアルマドリードからマルティン・ウーデゴールを連れてきたけど、どう思った?

SMITH ROWE

以前にもあった。

ハダースフィールドでも、アンディ・キングが入ってきた。

でも、うまく対応できたかな。

自分自身に集中して、自分のプレイをして、チャンスがあればそれをモノにする。

トットナム戦のように、一緒にプレイすることだってできるんだからね。

REDKNAPP
振り返ってみると、ハダースフィールドへのローンが、キミを少年から大人へと成長させたのかもね。
SMITH ROWE

あれは今までの経験の中でも、最高だった。

チャンピオンシップで、リーグのこと、フィジカルの強さを学んだ。

主にNo.10でプレイしたんだけど、アーセナルの意向もあったみたい。

ボールを持てば寄せられるし、時間との勝負だったけど、でもそれが楽しかった。

アーセナルアカデミーにいた頃、アレックス・イウォビがブレイクしていた。

エインズリー・メイトランド・ナイルズも。

彼ら見て、努力すれば自分にもチャンスがあると考えるようになった。

だからそれを見てきたことは、自分にとって最高の喜びだったよ。

アーセナルで成功することが自分の夢だったんだから。

 

怪我で引退したレドナップ

REDKNAPP
夢が叶った今、対戦して思うベストプレイヤーは誰?
SMITH ROWE

ポール・ポグバは間違いなく入る。とても強くて、テクニックもある。

ジャック・グリーリッシュも。とても優秀で尊敬している。

ブカヨからグリーリッシュは性格も良いと聞いたよ。

REDKNAPP

グリーリッシュから、キミの靴下に関するゲン担ぎを聞いたよ。

下げることで、足かせを外した気分になるんだよね。

SMITH ROWE

さらなる自由と開放感を与えてくれるんだ。

『自分はここで自由になれる』という感覚。

ちょっとしたおまじないだけど、結構しっくりきているんだ。

REDKNAPP

エミル、本当にありがとう。

息子のBeauは、キミのことがお気に入りで、今日の仕事を話したらはしゃいでたよ!

私からアドバイスを送るとすれば、『enjoy it』。

自分のキャリアを振り返った時、これからの楽しみのために止まればよかったと思うことがあってね。

ナーバスになって、自分の殻に閉じこもって、結果に固執して、他人にどう思われるかを気にしていた。

だからこそ、キミには今やっていることを続けてほしいし、その過程を楽しんでほしい。

SMITH ROWE
肝に銘じるよ。

 

おわりに

最後は、2005年の31歳で引退を余儀なくされたレドナップらしい金言でインタビューは終わっている。

レドナップが『戦争にいくのか』と錯覚するほどのインヴィンシブルズのピリピリ感。

最近のフットボールにはない空気だ。

 

SNSでファンとの距離が縮まり、選手もセルフィなどで自己プロデュースに忙しい昨今では、もうあの空気感を求めるのは時代遅れなのだろうか。

 

ひさびさにピリついた試合が見たくなってきた。

 

 

ひとまず、以上!

 

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