セスク・ファブレガス『ダービーの中毒性』

セスク・ファブレガス『ダービーの中毒性』

セスク・ファブレガス(Cesc Fàbregas)がTelegraphにて、熾烈なダービーマッチについて語っている。

インタビュー記事かと思いきや、ファブレガス自身が寄稿しているようだ。

若きキャプテンとして戦ってきた彼も、毛むくじゃらになり、気付けば34歳。

ダヴィド・ルイスと同じ1987年生まれと言えば、彼のベテラン感もイメージつきやすいだろう。

アーセナル、バルサ、チェルシーと世界でも有数のダービーを経験してきたセスク。

EUROで18日にイングランド対スコットランドが行われたこともあって、自身のダービー感を綴っている。

ファブレガスの見たダービー

From Arsenal to Barca and Chelsea – how it feels to be at the heart of the world’s fiercest derbies

この記事がリリースされたのが、イングランド対スコットランド戦の前日ということで話題に時差があるが悪しからず。

vs Man United

マンチェスターユナイテッド戦の前日練習、パトリック・ヴィエラがフレドリック・ユングベリを後ろから削って、ちょっとした喧嘩に発展した。

当時、私はまだ17歳。

ローレンが私のところに来て、『わかるか? 明日のためにパトリックがみんなを鼓舞しているんだ』と言った。

それまで見たことのない光景だったから、ただただ驚嘆するしかなかった。

でもあれは、戦う上でなにか少しでも多くのことをしなければならないことを示していた。

 

ユナイテッド戦は、アーセナルにとって伝統的なダービーではないけど、ライバル意識や雰囲気はダービーそのもの。

イングランド対スコットランドといった感じで、まさに『戦い』だった。

 

v Tottenham Hotspur

初めてのトットナムとのNorth London Derbyも17歳のとき。

そのときもローレンが、なぜこの試合が重要で特別なのかを教えてくれた。

彼はあらゆることを私に教えてくれた。

ローレン『インヴィンシブルズでも喧嘩は絶えなかった』

選手として、特に若いうちは、国も違えば地元でもないため、ダービーの規模は実際に経験してみないと掴めない。

そんな状態だったけど、ノースロンドンダービーでユングベリのアシストを記録して、『5-4』の熱戦を制して以降、すぐにその虜になった。

あの衝撃は昨日のことのように覚えている。

 

あれ以来、トットナム、チェルシーとのダービー、バルセロナでのレアルマドリードとのクラシコ、モナコとパリ・サンジェルマンといった、ダービーがもたらす特別な雰囲気に惚れ込んだ。

これらの試合で得点し、インパクトを与えて、チームの勝利に貢献してきたけど、そのどれもが本当に格別な思いだった。

 

2011年8月 バルセロナ復帰

ライバル意識を強く持って、他のみんなにその意識を伝播させる選手が存在する。

ジョン・テリーは、チェルシーでの最後の試合に臨む前、『トットナムがチェルシーを追い越すことも、上回ることもないようにしてくれ』と選手たちにスピーチしていた。

バルセロナでは、シャビやカルロス・プジョルがそれだった。

クラシコの重要性だったり、なぜバルセロナが勝たなければならないのかを訴えた。

イングランドに移ったとはいえ、私はずっとこのライバル関係のもとで生きてきたし、バルセロナユースでプレイしたこともあるから、クラブに戻ったときにはその意味はよくわかっていた。

バルセロナ本拠地デビューは、アーセナルから移籍した数日後のレアルマドリード戦だった。

『2-2』で迎えた試合、私は途中出場ながら決勝点に貢献した。

ファンにふたたび自分を紹介する絶好の機会だったけど、乱闘もあって、ベンチも含めてすべてが少しずつ狂っていくような試合だった。

 

Derbyがもたらす快感

選手として、ある特定の試合が他の試合よりも特別だとは軽々しく言うことはできない。

しかし、ダービーや強固なライバル関係は、いつもよりも少しだけ気持ちを高めてくれることは確かだ。

ファンにとってもそうだし、このような試合に勝つことで何か特別なものを得られた気分になる。

フィクスチャが決まると、その試合を待ち焦がれるようになり、体の内から何かが変わってくる感じがする。

ダービーでの勝利は、トロフィの獲得に近しいものがあると思う。

 

2016年の‘The Battle of the Bridge’。

トットナムのプレミアリーグタイトルを望みを断ち切ったあの試合もそんな感覚だった。

試合の少し前、テレビに出て『トットナムのリーグ優勝を望まない』と発言した。

トットナムサポーターや選手は相当ムカついただろう。

選手は、政治家のように正しい発言を求められがちだけど、正直に自分の気持ちを言ったまでだった。

なぜなら私がスパーズの優勝を望んでいないことは周知の事実だし、故にやりすぎたとも思わない。

あの試合の後、私がトットナムの選手を挑発したという声もあったけど、正直なところ、あの試合で私は何度も不必要に削られた。

彼らは、優勝を逃したことで苛立っていたんだろう。

 

試合には勝てなかったものの、引き分けてトットナムの優勝を阻止したことは、トロフィを手にしたような感覚だった。

リーグやカップ戦で優勝したときのように、試合後に祝勝会を開いたのを覚えている。

居ても立っても居られない気分だった。

 

EUROにまつわる話

スペイン代表として、ポルトガルとのダービーチックな試合にも出場した。

2012年のEUROでは準決勝のシュートアウトでウイニングペナルティを務めた。

あれも私にとって大きな出来事だったけど、それはファイナルに進出したこと、決定的なPKを沈めたことに依存するもので、相手がポルトガルだったからというわけではない。

あのダービーは、私が戦ってきたビッグクラブ同士のダービーとは別のものだった。

でも、イングランド対スコットランド戦は両国の気持ちの強さから、クラブダービーに近いものになると思う。

ダービーによく見られる劣勢のチームがやるように、スコットランドは普段よりも5~10%ほどボルテージを上げてくるだろう。

そのような試合は、良くも悪くも選手のキャリアを変えたり、歴史を作ったりする。

 

2008年のEURO、私はスペイン代表の12番目の選手だった。

常に最初の交代要員であり、ベンチからの出場が当たり前だった。

インパクトを残すことが第一目的だったけど、少ない時間でも違いを作ることができると知ってからは楽しんでいた。

だから、ジャック・グリーリッシュやジェイドン・サンチョといった選手でもできると信じている。

 

今回のような短期決戦では、ベンチの働きが非常に重要になる。

グリーリッシュやサンチョ、他の選手にも言えることだけど、このような大会では、最初から出場する選手よりも30分間プレイする方がはるかにインパクトを残しやすい。

これは自分の実体験でもあるから、間違いない。

30分でゲームに決着をつけることだってできるし、スターターよりも15分間プレイしていた選手に話題が集中することもざらにある。

そしてもちろん、私のように2008年のファイナルでスターティングに入って優勝することも可能だ。

 

このようにして私は徐々に成長してきたわけだけど、これはグリーリッシュや他のイングランド人選手にも言えることだ。

ベンチから出てきてインパクトを残せるように、いつでも準備をしておく必要がある。

グリーリッシュは、アストンヴィラの外でも話題になるようなビッグシーズンを過ごした。

彼の将来がどうなるかはわからないけど、大型取引も含め、どんな状況にも対応できることを示す必要があるだろう。

もし、彼がマンチェスターシティやマンチェスターユナイテッドに移籍したとしても、ジャック・グリーリッシュが全試合に先発出場するとは誰も保証できない。

サンチョも同じように、初戦ではメンバーに入っていなかったが、彼やグリーリッシュのような選手は、たとえベンチであっても、イングランドにとって非常に重要な大会になる可能性を秘めていると思う。

 

以上。

 

ちなみに日本時間6月19日に行われた、イングランド対スコットランドの結果は『0-0』。

負傷で欠場疑惑も出ていたキーラン・ティアニーはフル出場だった。

 

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おわりに

チェルシーなんかに行かなければ、愛着を持ってセスク、セスクと言えるのだが、まあヴェンゲルとの密談の結果だ。

仕方がなかろう。。

 

さて、EUROが終われば、TOKYO2020。

今のところ、アーセナルからはガブリエルが派遣される見通しだ。

東京五輪が決まったときのような、あのワクワク感はすっかりなくなってしまったことが悔やまれるが、実りあるオリンピックにしてほしい。

 

 

ひとまず、以上!

 

 

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